可憐で南国風な花も、見ものです!そんな「オクラ」に挑戦! 

夏の時期、畑の中に、まるでハイビスカスのような南国の花を見つけている草花を見つけて、驚いたことがあります。そう、それは「オクラ」です。プランター栽培もできるそうなので、畑を持っていない人でも簡単に挑戦できますよ。

「オクラ」基本情報

可憐な花が咲いた(6/11)
via (画像:オリジナル)
<オクラの種類と特徴>

・角オクラ・・・多く出回っている一番一般的な種類です。五角が標準的で、六角、八角のものもあります。ちなみに今回使った「アーリーファイブ」という栽培品種は、極早生種で、ここに分類されます。その他の栽培品種としては、秀品が多くとれ、大きくなっても硬くなりにくい「平成グリーン」や切り口が多角になる個性的な「ダビデの星」などがあります。

・花オクラ・・・特に花の大きな品種で、花びらを食用にします。また、鑑賞用としても利用されています。

・丸オクラ・・・沖縄などでは一般的なオクラで、さやに、かどがない形状をしています。角オクラに比べ、おおきくなっても硬くなりにくく、果肉がやわらかいなどの特徴をもっています。栽培品種としては、硬くなりにくい特徴から、長めの収穫ができ、家庭菜園で人気の高い「まるみちゃん」や、特に肉質が柔らかくて味も人気な「エメラルド」などがあります。
<発芽と生育適温>
発芽までの日数は、4-6日と短いです。種袋の解説によると一昼夜、種を水にひたすのがよいとあります。発芽温度(地温)は25-30度と高く、生育温度も20-30度と高く、まさに、夏を代表する野菜の一つといえるでしょう。
<種まき植え付け>
種まきについては、特に地域の指定はなく、3月下旬ならトンネル、4月下旬までが奨励期間です。この蒔き時の根拠は「晩霜」です。これがなくなったころに種まきを始めましょうという意味で4月下旬が指定されているようです。

地温をしっかり確保した状態で、一か所3,4粒をじかまきします。種皮が硬いため、一晩ぬるま湯に漬けておくと発芽が揃います。
<栽培管理>
畑づくりの場合、酸性を嫌うため、苗を植える二週間前までに、苦土石灰を施し十分耕しておきます。さらに一週間前までに畝に元肥を入れてよく耕します。畝は幅90cm、株間は二列で35-40cm位です。また、輪作障害が出るので、同じ場所で栽培する場合は、1年以上開けましょう。肥料は2-3週間に一度のペースで追肥を行いましよう。
<収穫>
角オクラの場合は、7-8cm程度で収穫できます。収穫が遅れると硬くなるので、注意が必要です。また、丸オクラの場合は7-15cm程度までが収穫適期です。丸オクラの方は比較的硬くなりにくいため、ある程度大きくなるまで収穫が可能です。

「オクラ」栽培実践編

今回の栽培に使用したもの。ハイポネックス(左上)、ロックウールブロック(右上)、種と鉢(底穴なし)(左下)、「膨らむ土(ココヤシ土)」(右下)
via (画像:オリジナル)
「オクラの基本情報」を元に、2017年度版のオリジナル育成方法で、育ててみました。概略手順は下記のとおりです。
<概略手順>
・芽だし、根だし・・・ロックウールブロックに種を蒔き、区切り付きのプラスチックケースに入れ、水をひたひたになる程度注ぎ、蓋を閉め、クローゼット(冷暗所)で保管(約一週間)。
・鉢上げ・・・適度な大きさのプラスチックケースに、あらかじめ水でもどした膨らむ土(ココヤシ土)を入れ、ロックウールブロックごと植え替え。
・通常管理・・・水耕栽培にも適したハイポネックスの1000倍に薄めた養液をひたひたになる程度与える。

<芽だし、根だし>

オクラ種まき(他のものもありますが・・・)

仕切りと蓋のあるプラスチックケース(左)と種(オクラは一番右)(3/9)
via (画像:オリジナル)
オクラの場合、芽だし、根だし作業で、特に気にすることはありません。今回は4種を2ブロック、4個づつ実践しました。やり方は、まず、ロックウールブロック(※)に種を2,3粒入れ、プラスチックケース(今回は前の写真の透明と、黄色のもの)のひと区画にひとつづつセットします。

ロックウールブロックが十分しみこみ、若干ひたひたになるくらいの水を入れ蓋をし、クローゼットなどの暗所へ入れます。ポイントは、容器内を高湿度に保つことです。また種が栄養で腐らないように、この時は「ハイポネックスの養液」ではなく、普通の水を入れます。

※「ロックウールブロック」とは・・・「高炉スラグと数種の岩石を高温で焼き、綿状にしたもの(大和プラスチック(株)製)」で、大型の園芸店や通販等で見つけることができます。サイズが何種類かあり、私が愛用しているのは、写真のプラスチックケースとピッタリサイズの3X3X3(一番小さいサイズ)です。

<鉢上げ>

オクラの鉢上げ

ある程度大きくなってきたので、鉢上げ(5/27)
via (画像:オリジナル)
実は、この前段階で、コップに「膨らむ土(ココヤシ土)」を入れて育てていたのですが・・・。全然大きくならないことが分かり、急きょ土の量を多くできる、いつもの底穴なしの鉢に移植しました。ココヤシ土内に肥料を含んでいるらしく、ある程度の量がないと、生長を促してくれないようです。

そういった経緯の反省点を含めると、発芽が確認できた状態で鉢上げします。今期は、新兵器「膨らむ土(ココヤシ土)」(※)を使い、芽がでた苗をロックウールブロックごと、プラスチックケース(今回は赤色)に植えつけます。これは実は100円ショップで見つけた小物入れで、植木鉢用ではありません。なので、底に穴が開いていません。これが当方オリジナル手法の一つの特徴でもあります。

※「膨らむ土(ココヤシ土)」とは・・・数社の園芸メーカや、園芸店オリジナル品として販売されています。「ココヤシ」を原料にした吸水性の高い、日本に古来からあるミズゴケのような、軽く運搬も楽な土の代わりを果たす新素材です。また「燃えるゴミ」として捨てられるという特徴もあり、大量の土を持ち込むのは大変なベランダや室内で植物を栽培したい人にはうってつけのアイテムです。

<通常管理>

鉢への移植後は、水やりを実施します。ただし、当方のオリジナル栽培法では、水ではなく「ハイポネックスの養液(※)」を与えます。過去、水耕栽培の実績からこの「ハイポネックスの養液」は根を完全に水没させてしまっても、水と違い、ほとんどの野菜は根腐れしないことが分かっています。夏の日照りの場合は、これをほぼ毎日、ひたひたになるくらい与えます。オクラの場合も根腐れを起こすことなく無事、結実まで迎えることができました。

ハイポネックスの養液とは・・・一般的なハイポネックスは「チッソ」「リンサン」「カリ」がバランスよく含まれているのですが、水耕栽培(今回は実質水耕栽培に近いイメージなので)の場合、「カリ」の含有率が多い、6.5-6-19(チッソーリンサンーカリ)の配合のものを使います。水耕栽培は水に根を浸し切った状態にするので、根腐れを防ぐことが栽培の最大のポイントとなるためです。つまり、根の促進を促すと言われているカリの配合比率が極端に多いハイポネックスを1000倍に薄めて使います。

とはいえ、水(養液)を切らせてしまうと、葉が枯れてしまいます(当方は、これをやってしまい、下の葉を数枚枯らせてしまいました)。

まとめ

ベランダガーデニングで、野菜類を育てた場合、正直、色々工夫しても畑の栽培には到底かないません。しかし、種から育てれば、特に夏場などは毎日毎日水(養液)を与える必要があり、その成長の過程を(否が応でも?)毎日毎日観察することができます。

今回の「オクラ」など花を含めて、楽しめる植物なら、その楽しみの領域も一層、増えます。私は、いかに「ベランダガーデニング」を定型化、単純化して、失敗の少ないものにするかを日々、研究しています。なにしろ、途中で枯らせてしまうのは、お互い悲しいですからね。

皆さんも是非、この機会に「オクラ」挑戦してみてはいかがですか?