コンパニオンプランツと野菜(スナップエンドウ)

「コンパニオンプランツ」という言葉をご存じですか?ごく簡単にいうと、「植物の共生でお互いの効果を得る」ことをさします。今回は、スナップエンドウの栽培を中心にミニトマトと混栽して「コンパニオンプランツ」としての効果があるのか実践してみました。

コンパニオンプランツとは?

「スナックエンドウ」と「ミニトマト」の同時種まき

「コンパニオンプランツ」実践のため、「スナックエンドウ」と「ミニトマト」を同時に種まきしてみました(1/21)。
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ガーデニングで、植物の育成上、どうしても、病害虫は避けられません。特に野菜などを育てている場合、最終的に口に入るものなので、農薬等は極力、使いたくないものです。そんな中で、病害虫の予防方法の一つとして、相性のいい植物をそばに植え、共存共栄を図るといったやりかたが考案、実施されています。これが「コンパニオンプランツ」と呼ばれる栽培方法です。

「コンパニオンプランツ」の利点と欠点

まず、おおまかな利点ですが、減農薬等で期待されています。また、プラスになる組み合わせを利用することで、相互の植物の育成を推進します。ポイントの一つは、異なった種類(遠い種類の科など)を同根することによって、土の中の病原菌を抑制したり、微生物の種類の均一化(同じものだけを増やさせない、あるいは減らさせない)といった効果があります。

冬場なら、南向きの窓から、直射日光があたるため、室内、窓際での栽培。「スナックエンドウ」、「ミニトマト」共に芽がでたのを確認(2/14)
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実は、この「コンパニオンプランツ」、欠点も多くあります。共存共栄に寄与する組み合わせがあるということは、その逆も当然あります。昔から知られているものや、研究されている方も多いようですが、パートナーを誤ると、マイナスに働いてしまうことも多々あります。現にプロのいわゆる農家さんで、この「コンパニオンプランツ」を積極的に取り入れているという話は、日本ではあまりきいたことがないように思います。

「スナックエンドウ」は大きく伸びだしたが、「ミニトマト」は何故かあまり伸びてこない(2/25)
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それからさらに農薬などに比べ効果が劇的にあるというものでないことも、あまり普及しない理由の一つのようです。また、そのほとんどが科学的な証明がなされたものではなく、先人の知恵や工夫であり、ものによっては真逆の説なども存在するなど、期待されている割に本格的な研究は進んでいないようです。

「コンパニオンプランツ」代表的な組み合わせ

世間一般に言われている代表的な「よい組み合わせ」を紹介します。

〇アブラナ科(カブ、大根、白菜など)とキク科(シュンギク、レタスなど)→キク科には防虫効果があるといわれ、上記組み合わせは有効と言われています。

〇トマトとバジル→イタリア料理では絶品の組み合わせと言われていますが、イタリアでは「コンパニオンプランツ」としても効果があるとされ、一緒に植えられることが多いそうです。

スナップエンドウ基本情報

一度目の収穫。なんとか4莢とれた(4/24)
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<エンドウ豆の種類>
今回は、「スナップエンドウ(スナックエンドウともいう)」を栽培しますが、他の栽培品種についても調べてみました。いわゆる「エンドウ豆」は「食べ方」によって、3種類に分類されます。栽培品種の名称と収穫期や目安もこれに準じることになります。

1つ目は、「さやえんどう」です。まだ実が大きくなる前に収穫し、キヌサヤの部分をたべます。2つ目が「スナップエンドウ」です。これは、実がある程度大きくなってから収穫し、実とサヤの部分を両方食べることができます。3つ目は、「グリンピース」です。こちらは、実が大きくなってから収穫し、サヤの部分は食せず、マメのみをいただきます。つまり、「さやえんどう」も「グリーンピース」も同じ「エンドウ豆」なのです。

ただし、栽培品種としては、それぞれの状態で最もおいしくいただけるよう品種改良されていて、それぞれの名前(「さやえんどう」「スナップエンドウ」「グリンピース」)の種(たね)として販売されているようです。

やはり、「スナックエンドウ」の伸びは大きい、「ミニトマト」の方は何故かあまり伸びてこない(3/25)
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<発芽と生育適温>
発芽までの日数は、4-6日と短いです。発芽温度(地温)は20度前後で低め、生育温度は15-20度とこちらも低めです。今回は「ミニトマト」との「コンパニオンプランツ」としての実験でもあるので、寒い時期(2月中)は室内の日当たりのいい窓際で温かくなってきたら、ベランダに移すという方法を実施しました。
<種まき植え付け>
まず、秋まきの情報から。寒地、寒冷地(北海道から東北と山岳)は秋まきは適さないようです。温暖地(関東以南の本州)では11月いっぱい、暖地(山間部を除く四国、九州)では11月中旬から12月上旬が蒔き時奨励期間になります。ちなみに、今回のこの実験では、1月22日に種まきとあるので、色々なケースにもよりますが、室内での栽培を併用した場合、エンドウ豆の場合、蒔き時期は、もっと広域になることが証明されました。

地植えの場合に戻ると、春蒔きの奨励期間は寒地、寒冷地では3月いっぱい、温暖地では、2月中旬から3月中旬、暖地では1月中旬から2月いっぱいとなっています。どの種まきパターンでも収穫は約2か月後(3月中旬から6月いっぱい)となっており、典型的な「春野菜」です。

種まきに関しては、苗を育ててからの植え付けも可能で、畑にじかに蒔く場合は、畝間1m,株間25-20cmで3粒程度を点まきします。秋まきは、越冬後に間引いて一本立ちにします。プランターの場合は、株間15cmで1本立ちにします。
<栽培管理>
畑づくりは、1 平方メートルあたり、苦土石灰を120g,有機配合肥料50g、完熟堆肥2kgを施します。つるが伸びだしたら、1mほどの支柱を立て、ひもで誘因します。莢つきが早いので、遅れないよう追肥します。

<収穫>
実が丸々と太り、莢が緑色の家に収穫します。目安は長さ7.5cm、幅1.4cm位です。

実際に育ててみましょう!

「ココヤシ土」パッケージと中身。右の土が4つに区切れていて、1つが約4リットル(ポリバケツ一杯分)に膨らむ
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今回も最近、自分のオリジナル育成方法の定番になりつつある「膨らむ土(ココヤシ土)」と水抜き穴のない鉢とハイポネックス養液の水遣りで育ててみました。

※「膨らむ土(ココヤシ土)」とは?

数社の園芸メーカや、園芸店オリジナル品として販売されています。「ココヤシ」を原料にした吸水性の高い、日本に古来からあるミズゴケのような、軽く運搬も楽な土の代わりを果たす新素材です。「燃えるゴミ」として捨てられるという特徴もあり、ベランダや室内で植物を栽培したい人にはうってつけではないでしょうか。

とはいえ、先日、ホームセンターで半値で販売されていました。半年前は、このホームセンターで、デモ用のサンプルを展示するほどの気合の入れようだったのですが・・・。理由は定かでありませんが、今現在(2017年6月)、(すくなくとも、このお店では)あまり人気がないようです。

パッケージの注意書きにあるとおり、水を吸収して6倍の容積になります。3社から、ほぼ同様の製品がでているのを確認しています。この社の製品だと3.7リットル用が4パック入っていて、私は、使用時に1パックをポリバケツ(約4リットル)一杯の水で解凍?して使用しています。そのままだと、水分が多すぎるので、ざるですくって鉢に入れています。一度解凍すると、乾燥しても容積は変わらないようです。

水耕栽培用ハイポネックス(6.5-6-19)
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<使用する鉢>

園芸用のプランターを用意するのが普通の栽培だと思いますが、私は、水やりに水耕栽培用のハイポネックスの養液をしようしてます。そのため水はけは気にせずいけるので、底に穴のある普通の鉢ではなく、持ち運ぶのにも便利な大きさの箱型のケースを使いました。あまり、お金を掛けたくないという観点と、並べてた時に綺麗な雰囲気を出したかったので、100円ショップで色とデザインとサイズが気に入ったものを並べて使っています。

ここにきて、形勢逆転。「スナックエンドウ」は枯れてゆく一方だが、「ミニトマト」はどんどん、勢いをまして育ってゆく(5/9)
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<水やり>

水耕栽培で使っているものと同じものを利用しています。「水耕栽培」では、水に根を浸し切った状態にするので、根腐れを防ぐのが最大のポイントとなります。なので、根の発達促進を促すと言われている「カリ」の含有率が多い、6.5-6-19(チッソーリンサンーカリ)の配合のハイポネックスを1000倍に薄めて使います。これにより、水耕栽培と同じ条件になるので、たとえ、ひたひたにしても根腐れの心配がなくなります(なので水を抜く穴の開いた鉢を使わなくても済むわけです)。つまり、普通の水やりは「表面が乾いてから」と言われますが、この方法の場合は、「鉢を持ち上げて重さを計る」方法で代用できます。異様に軽くなったら、ずっしり重くなるまで、水(ハイポネックスの養液)を与えます。

栽培結果

2回目の収穫。6莢。正直、膨らみ方はいいが、小ぶり(4/29)
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結果の略歴です。残念ながら、「スナップエンドウ」の方が先行していたためか、「コンパニオンプランツ」として、成果が上がったかは定かではありません。ただし、写真の通り(上の写真の何枚か参照)、「スナップエンドウ」は、収穫まで、病気やアブラムシ等の被害に一切会わず、健康に育成できたので、一定以上の効果があったのかもしれません。

その後、現在、「スナップエンドウ」は(役目を終えたからか?)枯れました(下写真参照)が、トマトは順調に育ち、結実しています(6/19現在 実の数、約40、一番先行しているものが赤くなっている(そろそろ、食べられるか?))。

<経緯>
1/21 ミニトマトと同時に種まきを実施。南側窓際の日当たりのよいところで、3月頃まで育成。
その後、日が高くなり、室内に直射日光が当たらなくなったため、ベランダへ移動。
3/24 開花。
4/24 4莢収穫、4/26 6莢収穫。

「スナップエンドウ」と同時に「コンパニオンプランツ」として育てた「ミニトマト(6/19)」