あまいイチゴの一粒を!イチゴを家庭で育てるには?

本当のジューシーであまいイチゴは、もぎたてでなくては味わえません!家庭で栽培すれば、朝一番に完熟イチゴをほお張ることが出来ます。みんなが大好きなイチゴを育ててみませんか?

家庭で育てれば完熟イチゴが食べられます!

真っ赤で大粒、香り高くジューシーなイチゴ。思い出すだけで食べたい!ですよね?
見た目も可愛くて、イチゴは誰もが好きな果物の一つではないでしょうか?

イチゴは皮が無いため傷みやすくとてもデリケートな果物です。農家では日持ちしやすいように早めに摘み取ってしまいます。※2~3日前に摘み取り出荷。このため糖度は摘み取った時点での甘みです。色は日にちと共に果実の先端部分からついていきます。店頭で販売されているイチゴで、キレイな真っ赤に熟して見えるのに、酸味を感じることもありますよね。

店頭で、みずみずしい真っ赤な色になったイチゴでも、いちご農場で食べるあの糖度までには至らないのです。家庭で育てれば、収穫直前まで完熟させることが出来ます。家庭でいちご狩りを。ほっぺが落ちそうな…「あまーい!」イチゴをご自分で育ててみましょう。

イチゴについて

ここでまず、現在流通しているイチゴの歴史について見ていきましょう。

イチゴはコロンブスが1830年にアメリカ大陸を発見したのち、ヨーロッパ人が新大陸を探検する植物ハンターたちによって見つけ出された植物の中の一つです。野生のイチゴ(原種)は、小粒で可愛らしい見た目ですが、とても酸っぱいもの。ここから長い年月をかけて、様々な品種改良により、現在日本で販売されている大粒でジューシーな、みんなが大好きなイチゴへと品種改良されていきます。

日本に持ち込まれたのが江戸時代末期1830年ごろと言われており、オランダ船から持ち込まれたのでオランダイチゴと呼ばれていました。盛んに栽培されるようになったのは、大正時代から。そして、日本の高度経済成長により需要が急拡大した果物です。

イチゴの品種について

現在日本では、県の数ほどの種類のイチゴが栽培されています。
素敵なネーミングのイチゴは、味や香りにそれぞれ個性がありますよね?見た目もピンクや白などやわらかい色のものや、最高糖度18度(13度でも甘い!)という蜜のような甘さの品種、モモに似た香りのイチゴまであります。親株の掛け合わせの品種によって様々な良さの品種が生み出されているのです。

まず、初心者が育てるにあたって、寒さに強い北海道産の品種、あたたかさを好む九州地方の品種など、育てる時には,お住まいの地域の近くで作り出されている品種を選べば,間違いありません。地元でしか苗が出回っていないレアな品種もあるので、地元の園芸店で確認してみましょう!

イチゴは涼しい気候を好み、冬季に凍らない様にすれば畑での栽培も可能です。イチゴは冬季には休眠期に入ります。春になり徐々に活動を開始します。イチゴは涼しい時期に収穫した果実の方が糖度も高く、果肉が引き締まっています。

果物の性質上、栽培する時に虫が発生したり、土がつくことで病気が発生しやすくなったりするので、プランター栽培や、ストロベリーポットなどの鉢植え栽培などが見た目にもよく、管理も楽です。可愛らしいイチゴが鈴なりになっている姿は目も楽しませてくれますよ。

一季なりと四季なりの違いとは?

イチゴは自然の条件下で栽培すると収穫時期は春5月~6月です。
植物は自然の条件下で育てたものに近い条件で育てるのが最も育てやすく、植物本来の性質を発揮できます。病害虫にも強く育てることが出来るのです。

自然の条件下で育てるイチゴは、一季なりイチゴです。店頭で見かける大きくて甘味が強いイチゴは一季なりイチゴ。一季なりイチゴは、秋に日が短くなり涼しくなっていくと花芽を形成する性質があります。秋に植え付け、ある程度生育したのち冬季は休眠状態に入り、春に活動を再開して、一季だけ花が咲き結実します。

四季なりイチゴは、夏の高温や冬の低温を除けば日の長さに関係なく花芽を作り、花が咲き結実します。四季なりイチゴは春に植えて6~9月の夏季に収穫するので、暑さ対策が必要です。

イチゴの生育方法について確認しましょう!

イチゴはバラ科フラガリア属の多年草です。
花の形が野ばらににていますね。増え方は、親株からランナーを出して子株を増やしていきます。ランナーの節が地面に触れると根を伸ばし、そこからも子株を増やしていきます。植え付ける時に深植えにならない様に、生長点に土がかからない様に植え付けましょう。

一季なりでは株の老化が3年と言われています。株が老化してくると病害虫が発生しやすくなるので子株を育てて更新していきます。また、四季なりイチゴは一季なりの品種と比べて、ランナーの発生が少なく家庭では栽培しにくいことが多いため、毎年新しい苗を購入することをおすすめします。

大切なのはまず、病害虫に侵されていない健康な苗を選ぶことが大切です。

イチゴの糖度を増す栽培用土とは?

イチゴの栽培用土は、適度な水分を含み、有機物を豊富に含んだ完熟腐葉土が最適です。ややアルカリ性の土が適しています。鉢植えの場合の用土は、赤玉土6:腐葉土3:ピートモス1の割合で配合します。たい肥や石灰を苗の植え付け一週間ぐらい前に用土に混ぜ込んでおき、土を馴染ませませましょう。

見た目が黒く、ふかふかした空気をたくさん含む用土が適しています。
※初めての方は、イチゴの用土も販売されているので活用してみましょう。初めから肥料も配合されているので簡単です。

イチゴは地表近くに根を浅く張ります。そのため株が乾燥しやすい植物です。イチゴは水を好みますが、やりすぎても株が弱ります。土が乾いてきたらたっぷりと与えます。※水分を少なめにした方が甘味が増します。

効果的な肥料の与え方

植物全般で育てるのに必要なのが窒素・リン酸・カリ(肥料の三要素)です。葉を茂らせるために「窒素」が必要であり、花や実を付けるのを促すのが「リン酸」、根の成長に欠かせないのが「カリ」の成分です。これらの成分が、必要な時に必要な量が土の中に含まれているのが理想です。

イチゴを甘くするには、発酵油粕・骨粉などのリン酸の成分を充分に与えることが大切です。※果物を育てる時に全般に言えることですね。

一季なりイチゴでも、四季なりイチゴでも、栽培期間が半年以上と長期になるため、元肥に加えて追肥が必要です。イチゴは肥料の濃度が高いと、すぐに肥料やけを起こすのでゆっくりとした効き目の肥料を与えましょう。果樹は養分を多く必要とし、肥料切れは果実の質に影響するので、味に甘味が薄く感じられるときには液肥を与えるのが効果的です。

イチゴは気温が寒い時期の収穫の方が糖度が高いと言われています。長期の収穫をする場合、十分な追肥をすることにより養分を与えて、株の劣化を防ぎましょう。※夏にとれるイチゴの品種は、小ぶりで酸味が強い様です。

イチゴの収穫について

イチゴは花が咲き始めてから、50日~60日で収穫できる大きさに成長します。イチゴが大きくなっていく様子を確認するのは楽しみですよね!午前中に収穫したが果実の方が、栄養価が高く、糖度が高くなっています。出来れば、朝早起きして完熟イチゴを収穫するのもいいかもしれませんね。

収穫時を見極めるのも、家庭栽培ならではの醍醐味です。株から切り取る時には、ヘタから2センチぐらい茎の長さを残して摘み取ると、ヘタぎりぎりで茎を残さず収穫した時よりも品質の低下が少なくなる様です。

イチゴは気温が8℃を保てれば次々に花を咲かせ、実を付けてくれます。イチゴの花にミツバチや蝶などの昆虫が訪れてくれるのも楽しみの一つですね。

人工授粉はあまり必要ありませんが、冬の時期など受粉を促す昆虫が見当たらない時期には、筆や綿棒を使って受粉すると確実に結実してくれます。開花後3~4日以内の晴れた日の午前中に行うのが最適です。※受粉が不確実だと形が変形した果実が生まれます。

イチゴを病害虫から守るには?

イチゴの栽培で考えられる病気はうどんこ病・灰色かび病・炭疽病・萎黄病などがあり、放置すると全滅してしまいます。元々病原菌に強い品種を選び、高温多湿の時期には風通しを良くするなどの工夫が必要です。
また、害虫ではアブラムシ・ハダニ・コガネムシ・ナメクジなどが発生することが考えられます。

家庭で作る果樹は無農薬や少ない散布で済ませたいものです。株が健康であれば病原菌が増えるのを防ぐことが出来ます。

・枯葉を小まめに取る。(冬の時期は休眠気に入るため枯葉の整理の作業を)
・苗を直接土に触れさせない。
・雨による泥跳ねを防ぐ
※ 藁を株もとに敷き詰めて土壌からの病原菌を防ぐ。
・高温・多湿を嫌うので密植は避ける
・極度の乾燥や湿気を防ぐ

など、小まめな手入れで、無農薬でイチゴを育てましょう。また、午前中の日差しを出来るだけ確保するなど、日照条件も注意して、健康な苗に育てていくことが重要です。※日差しをたっぷり与えることで甘味が増します。

イチゴを家庭で育ててみましょう!

イチゴは赤く色づいた先端の部分からへたの部分に向かって糖度が増していきます。
最初の一口が一番あまいのです。みんなに愛されているイチゴ。お皿に一粒のせるだけでも微笑みがこぼれそう。花の愛らしさ、果実のかわいらしさから、高級食器の絵柄にも使用されていますね。

イチゴの花言葉は「幸福な家庭」「尊重と愛情」「あなたは私を喜ばせる」です。次々と花が咲き果実が色づく様を見れば、家庭でも素敵な話題となりそうですね!完熟イチゴをぜひ育ててみてください。