ベランダでもガーデンでも。植木鉢で育てられる、寄せ植えにもおすすめの花 ~Vol.2 ~

豊富なデザイン、サイズ、そして素材とさまざまな選択肢から選べる植木鉢。あまり大きなスペースがなくても育てられ、ビギナーの方にも頼もしい味方となってくれます。ここでは寄せ植えにしても楽しい、ベランダでもガーデンでも場所を問わずに植木鉢で育てられる、おすすめの花をご紹介します。

お部屋に、庭に。植木鉢をもっと楽しもう

季節ごとに部屋に花は欠かさないという人も、いざ自分で育てるとなると億劫になってしまうこともありますよね。確かに植物を育てるということは、手入れを怠ることが許されず、忙しい日々を送る方には少し面倒に感じてしまうかもしれません。

でも一度自分で植物を育ててみれば、丹精込めて世話をした花が咲いたときはすべての苦労も吹き飛ぶに違いありません。それほど花には驚くほど力強いパワーがあるのです。

また、庭ですでにガーデニングを楽しんでいる方も、初めてトライする植物を植木鉢で育ててみれば、どのような環境を好むのかが分かります。そして植木鉢で育てるのは地植えとは違う楽しみを見出すことができるはず。

もちろんそのときはお気に入りのデザインの植木鉢を選び、好みの雰囲気に合うようにしたいもの。花と植木鉢、そして置く場所を吟味するのはインテリアに近いものもあるかもしれません。

ここではそんな庭や部屋の雰囲気づくりにも欠かせない、植木鉢で育てられるおすすめの花をご紹介します。もちろんどれも寄せ植えにもぴったりなものばかり。好みの花を見つけて、ぜひ花を育てる楽しみを感じてくださいね。

植木鉢のサイズやデザインは、置く場所を決めてから選ぼう

植木鉢で花を育てるときに必要なものは、もちろん主役となる花、そして植木鉢。そして日の当たる場所に水、栄養になります。

もし地植えにする庭がない場合、部屋やベランダで花を育てるのだとすると、植木鉢をどこに置くかは自然に決まって来るはず。そうすると置くことのできる植木鉢のサイズもおのずと分かって来るでしょう。

どんなに可愛いデザインでも、あまりに小さい植木鉢では育てられる花も決まってしまいます。また、たとえ気に入ったフォルムのものでも、大き過ぎれば置く場所に困ることも。

あとで後悔しないためにも、まず花や植木鉢を購入する前に置く場所を決め、そしてそれに似合った高さ、奥行きを計算すると花も選びやすくなります。

庭に植木鉢を置く場合にも、これもどこに配置するかを決めると、その場所はどれぐらいのスペースがあるのか、周囲の花の高さとのバランスを考慮すると、どれぐらいの大きさのサイズを選ぶべきなのかが分かります。

そして植木鉢の大きさを決めたら次は素材とデザインを。植木鉢は花を引き立て、さらに種類によっては同じく主役ともなるほどのインパクトを持っています。同じ品種の花でも、どんなデザイン、マテリアルの植木鉢を選ぶかで与える印象は大きく変わって来るはず。

特に家の中に置く場合には、部屋の雰囲気に似合ったものを選べば、よりいっそう周囲にとけ込み、インテリアの手助けをしてくれるに違いありません。

植木鉢は種類が多いので選ぶ大変さもありますが、その反面花と同じくチョイスを楽しんでみてはいかがでしょう。お気に入りの花が吟味して選んだ植木鉢で咲き誇る姿は、きっと心を癒してくれるでしょう。

ストック

茎の先にフェミニンな花が咲き、その華やかな風情とクラシカルな香水のような香りで切り花としても人気の高いストック。地植えとしてもポピュラーな花ですが、植木鉢で育てるのにも向いています。

カラーは白やピンク、ブルーや紫、アイボリーなどがあり、どれもやわらかな表情を持ち可憐な印象です。他の花とも合わせやすく、脇役にも主役にもなってくれる万能の花と言えるでしょう。

ストックの花期は3月から5月となり、日当たりの良い場所を好みます。また水はけの良い土を選び、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。ただし過湿を嫌うので、水のあげ過ぎは厳禁。また風通しの良いところ、湿気のない場所に置いてあげてください。

カリブラコア

上の写真を見てもお分かりのとおり、ペチュニアによく似た花が咲くカリブラコア。ペチュニア属に属し、非常に豊富なカラーバリエーションがあるのが特徴です。

とても育てやすく花期の長い花なので、初心者の方にもぴったりの花。そして風通しの良い場所を好み、泥はねを避けた方が良いために、ハンギングバスケットに向いています。さまざまなカラーがあることから、好みの色をチョイスすれば寄せ植えにもおすすめです。
カリブラコアは日当たりの良い場所に置き、土の表面が乾いたら花に水がかからないように注意して、水をたっぷりとあげてください。また咲き終わった花はこまめにカットするようにしましょう。そうすれば次々に花を咲かせてくれますよ。

ロドキトン

メキシコから来たつる性の植物、ロドキトン。長さはおよそ2~3メートルにもなると言われ、ハート形の葉ところんとした独特のかたちをした可愛らしい紫色の花が咲きます。別名はパープル・ベル・バインといい、その風情にぴったりの名前です。

花期は7月から11月ごろまでと長いのも特徴です。成長すると非常に丈が長くなるので、ウィンドウ・ボックスやハンギングバスケットにおすすめです。ロドキトンは春、秋には日当たりの良いに置き、水はけの良い土を用意してあげてください。ただし真夏の直射日光は避けてあげましょう。

ロドキトンは寒さに弱いのですが、まず日本の気候では問題ないはず。水やりは土が常にしっとりとしているように、しかし過湿にならないように気を付けてください。また風通しの良い場所に置いてあげるようにしましょう。

ロドキトンは種から植える際は開花するまでが難しく、花期のあと種ができないこともあり、上級者向けの植物と言われています。しかし環境が合えばとても良く育つ植物ですし、開花したときの印象は抜群。オリジナリティのある雰囲気を作り出してくれるでしょう。

エリゲロン

小さな可愛らしい花を咲かすエリゲロン。その可憐で儚い印象はガーリーな雰囲気に満ちあふれ、ナチュラルなガーデンにぴったり。丈夫で育てやすく、どんどん増えてくれる、初心者さんにもおすすめの頼もしい花と言えるでしょう。

花びらが糸のように繊細で、優しい雰囲気なので他の花との相性も良く、また植木鉢のデザインも選びません。インパクトのある花と合わせてみたり、似た雰囲気の花と合わせたり、あるいはエリゲロンだけを植えても素敵です。

日当たりの良い場所を好むので、日光が良く当たる場所に置き、水は土の表面が乾いたらたっぷりとあげてください。ただし多湿は厳禁。水はけの良い土を用意してあげてくださいね。

成長が早いので、大きく育って来て枝が込み合うようでしたら、花期が終わった時に選定をし風通しが良くなるようにしましょう。

スカエボラ

ふわっと広がるように葉が茂り、上品なブルーの花を咲かすスカエボラ。別名はブルー・ファン・フラワー、青い扇の花というその姿にぴったりな名前が付いています。上に伸びるというより横に広がる姿はハンギングバスケットにも向いています。

オーストラリア産であるスカエボラは寒さに弱く、日光を好む植物です。そのため日が当たる場所に置きますが、真夏の直射日光は避けてあげてください。

乾き気味に育てますが、土が乾いていたら充分な水をあげましょう。ただし根腐れを起こす可能性があるので、多湿にならないよう注意が必要です。

花が咲き終わったらこまめに花がら摘みをするのをお忘れなく。脇芽のあるところでカットしてあげると、その後もまた花を咲かせてくれますよ。


ぺラルゴニウム

人気の高いゼラニウムによく似た風情のぺラルゴニウム。ゼラニウムがリピートして咲くのに比べ、ぺラルゴニウムは春のみ花を咲かすタイプになりますが、その分花が咲いたときの姿は圧巻です。華やかな雰囲気に満ち、心躍るシーンを作り上げてくれるでしょう。

ぺラルゴニウムは乾燥気味を好む植物であり、多湿に弱いのが特徴です。また葉や花が雨に当たると傷んでしまうので、雨が当たらない場所に保管してください。そして水をあげるときは葉や花に当たらないよう、気を付けて水やりをするようにしましょう。

成長してくると株が弱って来るので、花期が終わったら半分ぐらいのサイズにカットしてあげてくださいね。日の当たる場所を好みますが、夏は涼しく、風通しの良い場所に置くのがおすすめです。

ガーデニング初心者の方も、植木鉢からスタートしてみよう

切り花や枝ものはすぐ手に入り、インテリアにも大いに貢献してくれる優れもの。美しい姿を見せてくれる時期が終わったら、お手入れは終了となる切り花に比べると、植木鉢で花を育てるのは手間もかかり、花が咲き終わったその後のケアも必要です。

確かに植物を育てるのは最初は億劫に感じるかもしれません。また、せっかくチャレンジしてみたのに上手く育たなかったときはがっくりしてしまいますよね。けれどすべてのガーデナーの最初の第一歩と言えるのが、植木鉢で花を育てることではないでしょうか。

そして植物を育てるのは大変、とは言っても、実際の労力は本当にシンプルなものとなります。花の育つ環境を知り、すくすくと成長するように日当たりの良い場所に置いたり、お水や栄養となるものをあげたり。毎日のわずかな時間のケアを続けることで、植物はそれにしっかりと応えてくれるのです。

たとえ最初は失敗し、花が咲かなかったり途中で枯れてしまったりしても、その反省をもとにすれば来年はきっと成功するに違いありません。花が咲き植物を育てる楽しみを実感したら、次はどんな花を迎えようかとワクワクしてくるはず。

そんなガーデナーの楽しみを、植木鉢で花を育てるところからスタートしてみませんか?どんな花にしようか悩んでいる方は、ぜひ今回の記事を参考にしてくださいね。