2019年2月14日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ パラム・ハウス&ガーデンズ Vol.2 ~

14世紀からの長い歴史を持ち、3つのファミリーによって引き継がれてきたパラム・ハウス。エリザベス朝時代のエレガントさを保ち続ける邸宅や内部の壮大なコレクションを始め、ガーデンにも見どころがいっぱいです。今回はクラシカルとモダンが美しく融合した、パラム・ハウスの庭園のレポートをお届けします。

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パラム・ハウス&ガーデンズとは

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パラム・ハウス&ガーデンズの始まりである、14世紀にウェストミンスター修道院が維持していた建物とその敷地。

ヘンリー8世の宗教改革によって大きく運命を変えたこの土地は、1922年にクライヴとアリシア・ピアソン夫妻が移り住んでから、また新たに生まれ変わります。

現在は所有者一家が邸宅内に住んでいるものの、大部分を慈善信託によって所有されているという敷地は全体で875エーカー、およそ東京ドーム約76個分という、ちょっと想像するのも難しいほどの大きな規模を誇ります。
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その中で庭園は4エーカー、東京ドームで約0.3個分ですので、すべての土地の割合から考えると、あまり大きくはないのかな?と思いきや、歩いてみるとかなりの広さを感じます。

クラシカルなウォールドガーデンの内部は魅力あるエリアに分けられ、そのひとつひとつを楽しめる庭園です。植栽やカラーリング、レイアウトに新鮮な驚きと発見があり、そして感動を与えてくれる場所でした。
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パラム・ハウスに訪れた際に驚かされたのが、まずその圧倒的な広さです。敷地の入り口から邸宅まではかなりの距離で、もしタクシーで来られるのでしたら、邸宅の入り口にあるチケット売り場まで送ってもらうことをおすすめします。

入り口から中に入るとコートヤード、中庭を通り抜け、ショップを通り越した先にガーデンへの入り口へと通じます。

そしてこのガーデンエントランスから、最初のガーデンが見える場所までもなかなかの距離があるのです。パラム・ハウス&ガーデンズは、すべてにおいて予想をはるかに超える場所でした。

パラム・ハウスの庭園の歴史

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パラム・ハウスの庭園の記述はあまり残されておらず、しかしながら最初にこの敷地を維持していたウェストミンスター修道院の修道士たちにより、土地が耕作されていたのは間違いがないようです。

しかしその後にパラム・ハウスの持ち主であったパーマー家、そしてビショップ家の時代の庭についてはあまり分かっておらず、ただ、このガーデンの特徴である周囲をぐるりと取り囲んでいる壁が、18世紀に造られたことだけが記録されています。

その後、1920年代にピアソン夫妻が購入した際には邸宅と同じように、今は美しいガーデンも荒れ果てた状態であったそう。ピアソン夫妻は邸宅をエリザベス朝時代の優雅なものに改装しただけでなく、同じように庭園の修復にも取り掛かるのでした。
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周囲になだらなか丘がある、丘陵地帯の裏側に位置しているパラム・ハウスの庭園の土壌は砂が多く含まれており酸性で、渇きは早いものの排水性に富み、作業がスムーズに行えるものでした。

また庭園の周囲を囲む壁は、動物の侵入や南西からの風を防いでくれたので、野菜や果実、そして植物は育てやすかったと言われています。

パラム・ハウス邸宅の改装のために監督に任命された建築家のヴィクター・ヒールは、敷地内にあるサマー・ハウスも請け負いました。
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また、アメリカ人のガーデンデザイナーであるラニング・ローパーは、ピアソン夫妻の良き友人であったため、庭園の植栽のデザインに協力したそう。

ちなみにラニング・ローパーは以前ご紹介したスコットニー・カースルの持ち主であったクリストファー・ハッセーの友人でもありました。

ローパーは、1981年にチャールズ皇太子の依頼により、コッツウォルズにあるハイグローブ・ハウスのランドスケープ・ガーデナーの務めを果たしています。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi