生垣が街に潤いを与えてくれる

これから、どの様な住まい、庭を作っていくのか?町の景観との調和は?暑い日が続き、街を歩く人影が少ないのを感じると、生垣っていいなと感じるのです。散歩の途中、立ち止まるのは生垣の横ではないですか?目にやさしい、緑を増やしていきませんか?

家を建てる時、地域の景観に溶け込むような色合いやデザインを考え、庭の植栽計画を考えるのではないでしょうか?
住宅の建築も、トレーラーハウスやタイニーハウスなどと言った低価格で建築費用を低価格に抑えることが出来、しかも居住地の移動が可能といった、あっと驚くような住まい方の提案を考え付き、実現がなされています。
住まいに対するこだわりは人それぞれで、一つとして同じ土地、価値観は違うものです。相続の問題などで放置される「空き地」の活用方法。なんと、2030年という近い未来には、3件に1件が空き家になっていくという実態です。長い目で見てコストと自分や家族といかに楽しんで生活を豊かにしていくのか?
自分たちも楽しむことが出来て、それを目にした人たちをも魅了することが出来るガーデニング計画。案外、個人の思いは実現可能なことが多く、町の景観を損ねてはいけないけれど、十分に試行錯誤しながら素敵な植栽を考えることが可能です。「あっ!」と驚く意外な計画も法律をクリアすれば芸術作品である生垣の作成が可能です。この分野に魅力を感じるのです。
都市計画法で住宅用の居住地として設定されている土地の地価は高く、確かに利便性はいいものの一生をかけて借金を支払い続けるのも「う―ん?」と考えてしまいます。
大手のハウスメーカーの分譲住宅は、専門家の知恵の結晶で購入に間違いはなさそう。素敵な土地に素敵な人たちが集まる。当然のことですが、そこには見えない秩序が保たれています。

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町をドライブして、雰囲気のいい街は、間違いなく空間に自然が取り込まれています。見ているだけで落ち着きます。こんな街に住んでみたいと思う景観を守るためには、やはり法律の規制が必要で、都市計画法で住宅の建築基準、植栽に関しては「風致地区」の条例が引かれていることがあります。
綺麗に整えられた、季節を感じる生垣には、管理の手間もかかるため、助成金が出る自治体もあるようです。植栽にかかった費用の半分から15万円くらいまで支給されることも有るようなので、生垣を設置される場合には、確認してみると良さそうです。人間の住み心地の良い環境は、各自治体と、個人のモラルで守られているのですね。
新築住宅にしての需要は多いのに対し、老朽化する住まいの借りては付かず、朽ち果てた木造住宅が年々も放置されているのを見ると、何とか出来ないのかと思案してしまうのです。
都市計画法が施行されているからとか、法律ではどうだからと言った決まり事ではなく、モラルが高い場所に住みたいと誰でも思うのです。

生垣の植栽計画について

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緑地を守るために、風致地区の条例が敷かれた街並みは落ち着いていて良いですね。町全体も緑あふれて、散歩しやすく住宅地であっても、適度な植栽が守られています。風致地区に住んでみたいと贅沢な願いを思います。
その代わり、生垣や庭の植栽には大変な作業が必要です。自然に調和させるということは、何て大変な事なのかと考えます。特に、面積も大きく締める生垣は、一時の気まぐれでの作成は出来ません。
ただ、公園もそうですが、人の手がある程度加えられた人工的な美しさは目を引くものがあります。
自然の状態が美しいのは、そこに秩序が保たれているからで、少しでも人間の手が加えられると、見る人の好みと、個人の所有物ゆえの主張が見えてくるのです。

都市計画法指定区域内で風致地区条例が施行されている地域では、敷地面積に対する植栽の割合が決められていて、立派なお庭やセンスの良い生垣が植えられているのを見かけます。

風致地区の場合、敷地面積に対して植栽の面積が10%以上は必要な地域が多く、庭の面積を広く取りたい場合に、外構の植栽に生垣を取り入れる方が多いのではないでしょうか?
防犯も考えたうえでのことか、ブロックを積み上げた外構の上部に植栽が顔を出しているパターンが多く見受けられます。また、風致地区ならでの絶景を生かした建物も見受けられて

風致地区は建物の色彩の明度まで細かく指定されていて、建物の工事が完了した時にも植栽に関して完了検査があります。建ぺい率(敷地面積に対する建物の大きさの割合)も厳しく、地域によっては、建ぺい率20%以下などという厳しい条件がある場所もあるようです。この厳しい条件があるため、町全体の雰囲気や統一感は保たれ、緑が豊かな落ち着いた色彩の景観が保全されることとなります。
落ち着いた屋根の色や外壁の色、自然の景観を損ねない建物や外構などの建築物は視野に入ってきても安心感があります。全体との調和。大切ですね。
風致地区では、植栽に関して建物が完成した際に「完了検査」があるので、引き渡しの時には、ほぼ完成した生垣、植栽が植えられていることが条件の様です。

※本当は、全ての土地に対して、風致地区の規定のような条件があれば、素敵なのにと私は個人の意見として思っています。それには、みんなにお金が必要なのですが。

住宅の庭や外構にグリーンがあるかないかで住まいの雰囲気が全く変わってきます。差し色で小さな花が目に飛び込んでくる美しさは心を和ませてくれます。

綺麗に整えられた生垣の横を通ると、ほっとします。空気が周りより澄んでいるように感じられ、そこからマイナスイオンも放たれているのを感じられるからです。

特に、夏の暑い日差しが照りつける時期に、日中、車道を走る車以外、出かける手段が無く、人が歩いていなくなった人在の住宅地の状況を感じ取ると、目に見える緑は眩しくありがたいものに感じます。真っ黒な日傘をさして、帽子をかぶり、足早に目的の建物に急ぎ足で歩く人々を見ると、「暑いですね。」以外の言葉が見つかりません。緑を増やさなければ!

実際に植物の葉の裏側の気孔からは、人にとって優しいマイナスイオンが発生しているのです。植栽の横を通ると、呼吸がしやすいというか、ひんやりとするというか、人間にとって良い空気が漂っていることが感じられ、顔も合わせずにもおもてなしを受けたような嬉しい気持ちになるのです。

風致地区の条例が引かれていない区域では、外構を生垣にする決まりはありません。
一般的な住宅は、建築基準法に合った土地と建物に関する基準をクリアすれば良いわけです。
風致地区でなくても、小さくても良いので遊び心が感じられる生垣は素敵ですね。

フェンスやブロックで隣地との境界を区切っていることが多いのですが、そこに建物と調和する植栽が植えられていると涼しげでとても良いものです。香りのよい花が咲く種類や、斑入りの葉が美しいコントラストを奏でる生垣など、家人の遊び心や、熱心な心意気が感じられます。
生垣は生き物であるため、手入れが必要になり、管理する人がいないとすぐに形が乱れてきます。病害虫の駆除も定期的に行わなくてはなりません。

その手入れの大変さを思うと、美しく整えられて、春に花が咲き、夏には涼を感じさせてくれる…。環境を整えて、みんなの心を和ませてくれる、生垣の管理者に感謝と尊敬の念を覚えるのです。※お金をかけて職人さんにお願いしていることも含めて。自分もみんなも楽しませる心意気が素晴らしいと思うのです。

生垣は一般的に成長が早く、刈り込むことによって枝分かれを多くしてくれて密な壁になってくれる種類が選ばれます。周期的にメンテナンスに手間がかかります。ガーデニングが好きな家人が1人いればそれは生垣という立派な芸術作品が出来上がるのではないでしょうか?

生垣にも建物に調和するように流行りがあり、地方をドライブした時に見かけるグリーンンの入道雲のようなカイズカイブキの見事な生垣や、新築マンションのフェンスの横に植えられた鈴のような可愛い花を咲かせた、斑入りのプリペットのおしゃれな生け垣など観察してみると面白いものです。

車庫と庭の仕切り用の目隠しなど、ブロックやフェンスなどではなく、花の咲く植栽で飾るのも素敵です。
綺麗な生垣は、目隠しにも良いものです。庭でティータイムの時に、生垣の目隠しは必要です。
生垣と言っても、和風・洋風の庭に合わせて色々な種類が使用されていて、従来の和風庭園に合う樹木や、洋風の庭に合う流行の植栽など、建物に合わせた植栽を観察するのも楽しいものです。
それでは、洋風の庭に植えられている生垣について見ていきたいと思います。

生垣が完成するまでには、ある程度の年月が必要になってくるので立派に出来上がった生垣を見ると、生垣という芸術作品を作った家人か職人さんか…?素敵な方がいるのだなと嬉しくなるのです。

柘植の木の生垣や造作物

柘植の木は細かい葉が密に茂るため、円形にカットして、洋風の住宅にも似合いますね。ウサギやリスの形に整えられた柘植の木も見かけます。柘植の木の良さは葉の細かな美しさが常時保たれることですが、値段が高額になるため、生垣のような本数を多く植え付ける場合、値段が気になるところです。

新芽の芽吹きが美しい種類

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四季を感じる日本では、寒い冬が過ぎ、春に木々の芽生えを感じることが楽しみでもあります。
芽吹きの色が美しいと、それだけでも生垣を大切に育てている努力の結晶が目に見えて嬉しいですね。
建物の色合いに合わせて植えられている植栽は目を楽しませてくれます。

コニファーの生垣

元々日本に生息していた品種ではなく、外国から輸入されたものなので、色や形が独特で目を引きますね。シルバーがかった葉などは初めて見ると興味深いものです。
ただ、昔から日本で植栽されていた植物でない品種を植え込むときには注意が必要です。

コニファーは、もともと生育が激しい針葉樹林なので、植えるとあっという間に大きくなり、小まめな選定をしないと、枝を切り落とした切り口が大きく、見苦しくなるので、生垣というよりは、お庭のアクセントでシンボルツリーとして植え込む程度にするのが無難です。

筆者の場合には、1年目に庭の片隅にクリスマスツリーにしようと、2本の針葉樹をシンメトリーに植え込んだところ、1年であっという間に1メートル50センチほどに育ち、2年目には2メートル50センチを超えるほどに成長してしまって、結局切り倒すことになりました。

2年で巨木です。

根っこは、半径30センチほどにまで太く育ち、周りの根を掘り起こすのも大変な作業でした。
密に枝葉が茂るのを目的として植え込む生垣は、風通しの悪さからくる蒸れが病害虫を発生させてしまう原因となります。土壌環境を整えることと、葉の色が変わってきたらすぐに薬剤を散布するなどの対策が必要です。
何故か、植物は自分が好きな場所では、ほぼ手間いらずですくすくと育ってくれるのに、大事に大事に育ててもへそを曲げていつでも手間がかかるという不思議な現象が起きますね。家人との相性というか、土地との相性というか、これが謎なのですが、試しに植えてみて様子を見る他ありません。

土壌のpHは大いに関係するので、酸性に傾きがちな日本の土地柄ではアルカリ性の土壌が原産の樹木は育ちが悪くなります。植え込むときに、石灰をいくら撒いても育ちが悪く、手間がかかるのでは気が滅入ります。
その点、日本に昔から植えられていてよく目にする種類はほぼ間違いなく手入れが楽なのですね。

また、針葉樹系の品種は鉢植えで葉小さく寄せて植えられていたのに土に植えた瞬間から野生の本能を呼び覚まし、1年であっという間に数メートル以上も伸びてしまって切り倒すのが大変なほどそだってしまい、根の処分にも困ることがあります。
女性にとっては大変な力仕事です。人気の品種とはいえ、庭に植え込むときには注意が必要なのです。

ドウダンツツジの生垣

近所に、秋に真っ赤に色付くドウダンツツジの美しい生垣を拝見して、いつもどなたが手入れをしているのか不思議に思っていたことがありました。お話をする機会があり、どのような手入れをしているのかと尋ねたら、50年前に7本の挿し木をして、そこから育てたそうで…。

挿し木を大切にこんなに大きく立派な生垣=境界線=芸術品を作成した近所の方の長期事業計画に感服したのでありました。

造園業者に頼んでいる様子はなく、いつもぴったり真四角に整えられている生垣。
なんと、目測で、遠くに見える住宅のサイディングの目地を目印にそこを基準として、1本の剪定ばさみで手を動かして枝を切っているそうで…。
そして、上部は電柱の筋のような模様を頼りに手を動かして整えているらしく…。水糸1本の線を頼りに生垣を創作してしまう原始的な造園好きの素人の職人技!こだわりのない素人さんの知恵ってすごいなと感心しました。

ドウダンツツジは、清楚な葉っぱと小さな鈴のような可愛らしい花は初夏に緑が眩しく、秋には紅葉が素晴らしく素敵です。花屋には、ドウダンツツジ立派な枝が販売されています。店舗や、リビングに飾っても素敵な品種です。

落葉するので、冬の間は目隠しとしての役目は薄いのですが、その美しさや魅力から、上品な庭園にも植えられているのがうなずけます。刈り込み方によっては洋風のお庭にも合う、おススメの種類です。

洋風のマンション

最近のマンションの外構でよく見かけるプリペッドは、きっちりと刈り込むより、すき込んで整えるような自然な方法が似合うので、洋風な自然の庭にもおススメです。斑入りの葉の美しさや、初夏に咲く小花の甘い香など魅力があります。比較的管理が楽なのですが、難点は小さく薄い葉が寒冷地ではスカスカに落ちてしまい、生垣の役目を果たさないことがあります。用土の状態や環境が合わないと、1本枯れこんでしまうことも有るようです。伸びすぎた樹勢の調節もかねて、点検をすることは必要です。

フェンスにからませるタイプ

モッコウバラや、羽衣ジャスミン、ハツユキカズラなど目にも美しい花の咲く品種を外構の上部のフェンスにからませるのも花の咲く季節には目を楽しませてくれるものです。花が咲くため、季節には下に落ちた花柄の処理は必要です。近所の方がペットの散歩がてら足を止めて花見をしていくなんてとても贅沢でいいなぁと思います。
桜並木やイチョウ並木、ポプラの木、欅の木…。道路の横に植えられて真夏のあつい日差しを遮ってくれる木々のおかげで、近所までお買い物に日傘一つで出かけることが出来ます。生垣がある歩道は、ペットの散歩もしやすいのではないでしょうか?グリーンがある町っていいなぁと思うのです。

年月はあっという間に過ぎ、何代も引き継いで家を継続する時代の流れではなくなってきたようです。自分が住んできた土地の景観を思い出すことは、あと何度あるのでしょうか?

時代の流行もありますが、その地域の土地柄で植えられている生垣の植栽で、あの土地に植えられていたあの木は何だったのだろう?
とか、良い香りがしたなぁとか、美しい思い出として思い返してもらえる生垣を作れたら良いですね。
住環境も含めて美しさを追求する。これは、永遠のテーマですね。