カボチャだけじゃない! ハロウィンにぴったりの植物たち

ハロウィンといえば真っ先に頭に浮かぶのがカボチャですよね。でもカボチャ以外にもハロウィンにぴったりの植物はあるんです!ちょっとホラーな見た目のレア植物からハロウィンカラーのカワイイ植物までご紹介します。

ハロウィンと言えば・・・

もうすぐハロウィンがやって来ます。ハロウィンは今や日本でもポピュラーになりましたが、元々はヨーロッパが起源の行事。秋の収穫を祝う意味あいと、死者の霊が現れる日なので悪霊を追い払う意味あいを持ったお祭りなんです。

ハロウィンといえばカボチャですが、実はこのイメージは比較的後になってアメリカで作られたものなのです。元々はその時期に収穫したさまざまな野菜や果物を飾っていました。有名なJack-o’Lantern(ジャック・オゥ・ランタン)も最初はカブで作っていたんです。その習慣が後にアメリカに渡ってアメリカにはカブが無かったので代わりにちょうど収穫期を迎えたカボチャを使ったのです。

ハロウィンには死者の霊が現れるとされています。死者の霊の中には良い霊も有れば悪い霊も有ります。人々はカボチャで作ったジャック・オゥ・ランタンを家の玄関や窓辺に置いて、悪霊が家の中に入って来ないようにしたのです。

現在は宗教的な色合いはほとんど無くなり年中行事のようになっているハロウィン。この時期、街のいたるところではカボチャやジャック・オゥ・ランタンを使った飾り付けがいっぱいになりますよね。せっかくなのでありきたりのカボチャを使わずに個性的な植物を使ってハロウィン気分を盛り上げませんか?見た目のホラーなレアな植物から、ハロウィンカラーのカワイイ植物までをご紹介します。

ホラーな見た目の植物たち

ハロウィンはちょっと恐い悪霊たちが出てくる日。魔女に吸血鬼、コウモリやオバケ・・・子どもたちも仮装して練り歩きます。

実は植物の中にも見た目がホラーなものがあるんです。ちょうどハロウィンの時期に見られるインパクト抜群の植物を見ていきましょう。

翼を広げたコウモリ! クロバナタシロイモ

最初にご紹介する植物は、まるでコウモリが翼を広げたような花を咲かせるクロバナタシロイモ。タシロイモ科の植物で、インパクト抜群です。独特な形をした真っ黒な花は、コウモリや黒猫を連想させます。英語では「Black bat flower(黒いコウモリの花」)、日本では「ブラックキャット」という名前でも呼ばれています。

タイ、マレーシア、中国南部を中心とする東南アジアの熱帯地域に生息し、草丈は70cm~1mにもなるとても大きな植物です。地下茎は漢方薬に使われるとのこと。花期は7月~10月で、日本でも流通しています。高湿度を好み耐寒性はあまり無いので温室で栽培するか、低温期は休眠させるかのいずれかで栽培します。

狂気の人形の目! シロミノルイヨウショウマ

これを見ると思わず「わっ!? 目玉がいっぱい!!」と言葉が出てきてしまいそうですね。このある意味ホラーな木の実はシロミノルイヨウショウマという植物です。キンポウゲ科の多年草ルイヨウショウマの仲間なんですが、通常は黒い実を付けるルイヨウショウマに対し、シロミノルイヨウショウマは白い実を付けます。英語名は「 Doll’s Eyes(人形の目)」と見た目の通り。

ルイヨウショウマ自体は日本でも北海道から九州まで自生しており、白実のものも園芸店などで入手できます。春に白い花を付け、8月~10月にはこの独特の実が鑑賞できます。見た目もホラーなんですが、全草及び実に毒があります。取扱いには注意が必要な植物です。

ゴースト現る! ギンリョウソウモドキ

薄暗い雑木林の中にぽっと現れたうっすらとした白い物体。その出で立ちが幽霊のようなことから英語では「Ghost Plant(幽霊草)」とも呼ばれるギンリョウソウモドキはシャクジョウソウ科の多年草です。腐生植物の仲間で、見て分かる通り葉緑素を持ちません。雑木林の地面にたまった腐敗した枯葉から養分を得ています。

北アメリカや東アジア、日本では北海道から九州まで生息しています。普段は地下茎のみの状態なので地上で見かけることはありませんが、8月~10月に地上に出てきて花を付けます。同じシャクジョウソウ科のギンリョウソウととてもよく似ていますが、ギンリョウソウは春にギンリョウソウモドキは秋に開花します。

まるでダースベイダー! アリストロキア・サルバドレンシス

このダースベイダーのような花はアリストロキア・サルバドレンシス。ウマノスズクサ科の低木です。英語では「Darth Vader Flower(ダースベイダーの花)」とか「Dutchman's Pipe(オランダ人のパイプ)」と呼ばれています。

エルサルバドル原産で中米の熱帯雨林に生息しています。日本での栽培は難しいとされており特に開花をさせるのは大変なようですが、京都府立植物園や神代植物公園のほか個人の栽培家の方も成功されています。開花は不定期です。全草に発がん性があり腎臓障害を起すアリストロキア酸を含んでおり、これを敢えて食べる人はいないとは思いますが摂取は厳禁です。

こう見えても柑橘類! ブッシュカン

この変わった形の果物はブッシュカンです。こう見えてもカボスやユズの仲間で香酸柑橘類なんです。ブッシュカンという名前は漢字で書くと仏手柑となり、先が分かれた実が手の指に見えることからそう名付けられました。英語でも「Buddha’s Hand(お釈迦さまの手)」と呼ばれています。

原産地はインドで、日本には江戸時代に入ってきました。香りがとても良いんですが実はとても少なく酸っぱいので生食には適さず、主に砂糖漬けにして食べます。また昔から乾燥したものは漢方薬として使われてきました。観賞用としても使われており、盆栽にして楽しんでいる人もいるんですよ。

不気味なエイリアン! スターツデザートピー

真っ赤なボディに黒い頭、このインパクト抜群のエイリアンのように見える植物はスターツデザートピーです。オーストラリアのスターツ砂漠(スターツデザート)に生息しているマメ科の多年草です。見た目がとてもユニークな花なんですが、南オーストラリア州では州花に選ばれているそうですよ。

日本でもタネや春先に温室栽培された苗が流通しています。しかし元々の生息地が砂漠ということから湿った環境だと調子を崩します。特に高温多湿の日本の夏は苦手とされていて、日本では一年草扱いだそうです。

ディスプレイ向きハロウィンカラーの植物たち

ハロウィンの色といえばオレンジ色と黒。ハロウィン気分を盛り上げるディスプレイにハロウィンカラーの個性的な植物を使ってみませんか?手に入りやすくて育てやすい植物をピックアップしたので参考にしてください。

サイズも形もちょうどいい! ホウズキ

まずオススメしたいのがホウズキです。ナス科の多年草で、7月~8月ごろにはこのようなオレンジ色のガクに包まれた実がついた鉢植えが多く出回りますよね。
それが10月になるとガクの部分は枯れて筋だけ残り、中のオレンジ色の実が透けて見えるようになります。これをハロウィンの飾りに使うとなかなかオシャレな感じになりますよ。

原産地は東南アジアで、英語では「Chinese Lantern Plant(中国の提灯草)」と呼ばれます。日本でもお盆用の仏花として欠かせませんね。観賞用のホウズキは、全草に微量ではありますがアルカロイドを含みますので口には入れないようにしてください。

形が面白い! フォックス・フェイス

キツネの顔のような形のフォックス・フェイスは別名ツノナスとも呼ばれるナス科の植物です。でもこちらはナスといっても毒性があるので食べられません。あくまで観賞用なのです。

ブラジル原産で栽培は難しくはありません。実の鑑賞時期は9月下旬~11月まで。日によく当てるとより鮮やかな色になりますよ。草丈は1.5mから2mくらいとけっこう大きくなりますので、栽培する際は支柱を立ててくださいね。

ハロウィン用に実だけ単独で飾ってもいいですし、枝をたくさんの実をつけた状態のまま飾っても面白いですよ。

黒い色が美しい! クロホウシ

今度は黒の植物をご紹介しましょう。その一つが多肉植物のクロホウシです。漢字で黒法師と書くベンケイソウ科の多年草です。これをハロウィンの飾り付けに使ってもステキですよ。

クロホウシの魅力は何といってもこの黒く光沢のある葉の色。この色は春と夏と冬にしっかりと日に当てることでよりいい感じに発色します。冬型の多肉植物なので夏場は休眠期。風通しが良い半日陰で水やりをストップして休眠させます。とても丈夫で地域によっては庭植えでも育つとか。

同じ多肉植物でブラックプリンスも黒い葉色で人気ですが、ハロウィンの時期にはまだ完全に黒くなっていないようです。

トウガラシの仲間! ブラックパール

こちらも見事に黒いですね。観賞用の唐辛子ブラックパールです。葉も実も真っ黒ですが、ずっと黒いわけではありません。葉は春の新芽はちゃんと緑色をしています。それが徐々に黒く色付いてくるのです。実は最初は紫色で、それがだんだんと黒くなり最後は赤に変わります。

栽培も簡単。タネからでも容易に育ち、暑い夏も平気です。しかも水やり以外は手をかけなくても美しい樹形に育つので一鉢あるとお庭のアクセントにもなっていいですよ。

オレンジ色が多いハロウィンの飾り付けもこれ一鉢あれば引き締まります。

ちょっと変わった植物でハロウィンを個性的に彩ろう

いかがでしたか?
今年のハロウィン、ありきたりなカボチャからちょっと変わった植物に代えてもっと個性的に演出してみませんか?