ベランダでもガーデンでも。植木鉢で育てられる、寄せ植えにもおすすめの花 ~Vol.1 ~

ガーデンがある方にも、そして庭がない方にも強い味方となってくれる植木鉢。お気に入りの花を単品で、あるいは好きなカラーでまとめて寄せ植えに。楽しみ方がたくさんある植木鉢をもっと有効活用して、花が身近にある暮らしを送りませんか?ここでは植木鉢で育てられる、寄せ植えにもぴったりなおすすめの花をご紹介します。

植木鉢を利用して、季節の花を楽しもう

我が家には庭がないから……とガーデニングには手が出なかったマンション暮らしの方も、ガーデンで地植えを楽しんでいる方にもおすすめなのが、植木鉢で花を楽しむ方法です。

植木鉢はたくさんの種類の花の中からお気に入りのもの、あるいは好きなカラーから花を選び、わずかなスペースがあれば育てられる頼もしい味方です。

初めてガーデニングに挑戦するという方は、丈夫で育てやすい品種からスタートしてみてはいかがでしょう。丁寧に育てた花が咲く姿はきっと生活に潤いを与えてくれるはず。

花を育てるのに慣れてきたら、次は花の種類を増やしてみる、寄せ植えにトライしてみるなどと、徐々にステップアップするのがおすすめです。

また庭で花を育てている方も、花壇の中に植木鉢を置いて庭に高低差をつけたり、個性的な植木鉢を使用してフォーカルポイントとして活用したり。

さらに植える場所がないことが多い玄関先に植木鉢を置いて華やいだシーンを演出したり、シーズンごとに花期が終わった花を植え替えたりと、庭のある家でも多くの楽しみ方があるのが植木鉢を利用するガーデニングです。

植木鉢で花を育てる注意点

植木鉢で植物を育てることは誰でも気軽にトライできるところが利点ですが、注意点も良く理解しておくことが大切です。

必要な養分を土の中で探すことができる地植えと違い、植木鉢を代表とするコンテナで育つ植物は同じような育ち方ができません。鉢の中で育つ植物はその環境でできる限り育つように自分自身で最大の努力をしますが、やはり持ち主のケアが必要となってきます。

たとえば地植えで育つ植物は雨で水分を得ることができますが、屋根があるベランダに置いたコンテナで育つ植物ではこのような自然の水分を得ることができず、また、屋外に置いているコンテナも、生い茂る葉が傘のような役割をしてしまい、水分が充分に行き渡らないことがあるのです。

植木鉢で育てるときは、水やりは過湿にならないように気をつけながら、表面の土が乾いたらたっぷりとあげてください。その際に、葉で覆われた土に水が行き届いているかの確認も必要です。

また、植物を植木鉢で育てる際には、土は常にフレッシュな、選んだ植物に合わせた培養土を使用しましょう。庭から土を移して持ってきたり、あるいは他の植物に使っていた土を使うのはおすすめできません。

さらに植木鉢で限られたスペースの中に、多くの植物を植える寄せ植えをする場合には、むれてしまわないよう風通しの良い場所に保管することをお忘れなく。そして多くの植物は日光を必要としますが、直射日光を浴び続けると乾燥してしまいますので注意が必要です。

花が咲き終わったあとは、手を抜かずにすぐに花がらを切り取るようにしましょう。花が枯れたあと、そのままにしておくと荒れた印象になってしまいます。また、花は咲き終わると種を付けるために養分が取られ、株が弱ってしまうので注意が必要です。

花を育てるには購入する植物の性質を良く調べ、それに合った環境づくりをしてあげることが大切です。また育てている間にどんな環境を好むのか観察していくと、たとえ最初の年に失敗に終わってしまった植物も、その教訓を活かせば翌年はきっと美しい花を咲かせてくれるに違いありません。

お気に入りの花を見つけよう

花を選ぶことはガーデニングの中でも特に心躍る楽しい作業。好きなタイプのフォルムの花や、カラーを選び、それに似合った植木鉢を選ぶことはこれから夢の空間を作り上げる第一歩と言えるでしょう。

大好きなガーデンショップで直接選ぶのも良いし、ネットや雑誌で見かけた花をオーダーするなど、自分に合った購入法で花を選んでみましょう。

植木鉢で育てた一年草や球根で育てた花期が終わった花たちは抜いて、次の季節に咲く花を植えれば、自宅は常に花が満ちた場所に。シーズンごとにどんな花を迎えようかと考えるのも胸がワクワクとする作業です。

ここでは植木鉢で育てられ、また寄せ植えにもぴったりな花をご紹介します。植木鉢で花を育てる、花選びの参考にしてくださいね。

フロックス

70種類ほども品種のあるフロックス。育つ背丈もさまざまで、花のカラーも豊富、グラウンドカバーに向くものからボーダーガーデンに合うものまでバラエティに富んでます。

鉢植えで育てるのなら、シバザクラやツルハナシノブがおすすめです。あざやかなカラーや繊細な色彩のものなど、好みに応じて選んでくださいね。

シバザクラは多湿に弱いので、水やりは土が乾いたらたっぷりと与えてあげてください。生命力の強い植物ですが、育ってきたら2年に一度は大きな植木鉢に植え替えてあげると良いでしょう。
ツルハナシノブは日当たりの良い場所を好み、水はけの良い土を好みます。ただし耐寒性には優れていますが暑さには弱いので、あまりに強い直射日光は避けた方がベター。株分けで増やすこともできます。

バコパ

初心者の方でも育てやすい花がバコパです。フェミニンで優しい雰囲気の小さな花が咲き、花期が長いのも嬉しいポイントです。

バコパは下へ垂れ下がるように育つので、低い植木鉢よりもある程度高さのあるものの方が、花の持つ優雅なフォルムを活かしてくれるでしょう。またあまり主張の強くない花なので、他の花と組み合わせ、寄せ植えにも向いています。

日なたを好む植物ですが、多湿は苦手。日本の夏はちょっと暑すぎるかもしれません。夏は直射日光を避け、風が通る場所に移動させてあげましょう。

ネメシア

丈夫で育てやすく、耐寒性に優れているネメシアは花壇で育てるにはもちろん、植木鉢で、または寄せ植えでも活躍してくれる花です。

一年草であるストルモーサ系と宿根ネメシアがあり、最近ではこのふたつをかけ合わせた大輪ネメシアもあります。一年草はハッとするような色あざやかなカラーが特徴で、宿根ネメシアは淡い色彩が魅力です。どちらのカラーが良いか、目指す雰囲気に合わせて選んでくださいね。

水はけの良い土を好み、土の表面が乾いたら、水をたっぷりとあげてください。日当たりの良い場所で育つ植物ですが、暑さには弱いため多湿を避けて、夏は半日陰に移動させるなどのケアが必要です。雨に当たると葉が傷むことがあるので注意が必要です。

イソトマ

儚げで繊細な細い茎の先に、小さな愛らしい星形の花を咲かすイソトマは、まるで地上に星が降りそそいでいるかのような可憐な姿が印象的です。カラーは白や淡いピンク、青紫色などがあり、どれもとてもロマンティックな色彩です。

強い色調ではないので寄せ植えにもぴったりのイソトマは、横へ増えていく株なので、植木鉢の端に植えるとこぼれおちるような風情を楽しむことができますよ。同じように淡いカラーの花と一緒に植えると、フェミニンな雰囲気を作り上げることができるでしょう。

水はけの良い土を好みますが、できるだけ乾燥気味の状態にしておきましょう。あまり多く水をやり過ぎると根腐れしてしまうことも。雨に当たると葉が傷むこともあるので気をつけてくださいね。

なお、イソトマは茎を切断すると白い液体が出てきます。これにかぶれてしまうこともあるので、切り戻し、花がら摘みをする際には注意して行ってください。

ヘリオトロープ

ハーブとして知られるヘリオトロープはバニラの香りが特徴的で、周囲は甘いケーキのような良い香りがふんわりと漂います。

花びらが大きく見た目も美しいビッグヘリオトロープは香りは多少弱いですが、あざやかな紫が植木鉢によく似合います。白い品種もあるので、好みのカラーを選んでくださいね。

花が咲き終わったあとは切り戻しを行うと新たな目が出て来るので、長く花を楽しめます。ただし花そのものは花期が短いので、まめに花がら摘みをしましょう。

寒さに弱く、耐暑性があり日当たりを好みますが、真夏は直射日光の下は避けた方が良いでしょう。その際には風通しの良い場所へ。水はけの良い土を用意し、乾燥を嫌うので表面が乾いたら水をたっぷりと与えてくださいね。

植木鉢で花を身近に楽しもう!

ガーデニングは手間暇がかかって大変、というイメージはまだまだ強く、その印象は残念ながら決して外れてはいないと言えるでしょう。けれども植物を育てる喜びは他では決して得ることができないものではないでしょうか。

植物のケアやメンテナンスに割く時間がないという忙しい日々を送る方や、初めてガーデニングする人、あるいは自宅に庭がないマンション住まいという方でもトライできるのがコンテナ、植木鉢を使って植物を育てていく方法です。

庭仕事のビギナーの方や、多くの時間をガーデニングに費やせない方は、あまり手間のかからない小さく丈夫な鉢植えから。すでにガーデニングの経験豊富な方は季節によって表情を変える寄せ植えなど、ガーデニング年数にかかわらず、またはどんな場所に住んでいても楽しめるはず。

ご自身のライフスタイルにあった方法で、植木鉢を利用してガーデニングを暮らしに取り入れてみませんか?きっと植物を育てることが、日々の大きな潤いとなるに違いありません。どんな花が植木鉢に向いているか探しているときは、ぜひ今回の記事を参考にしてくださいね。