2019年1月31日 更新

イングリッシュガーデンを巡る旅 ~ パラム・ハウス&ガーデンズ Vol.1 ~

パラム・ハウス&ガーデンズは、ロンドンからも日帰りで行くことのできる場所、イギリス南東部のウェスト・サセックスにあります。広大な敷地に佇むエリザベス朝の大邸宅と美術館レベルのさまざまなコレクション、そして魅力にあふれたガーデン。今回はこの歴史あるパラム・ハウス&ガーデンズについてレポートをお届けします!

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パラム・ハウス&ガーデンズとは

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ロンドンより列車で約1時間15分ほど、およそ90キロほど離れた場所にあるウェスト・サセックスに位置するパラム・ハウス&ガーデンズ。

その敷地面積の大きさは875エーカー(約3.54キロ㎡、東京ドーム約76個分)という広大なものになります。

年間の来場者は2万5千人を超え、このエリアでも人気の施設であり、子どもたちから大人まで楽しめる場所となっています。
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パラム・ハウスには広い土地と長い歴史を持つだけでなく、見るべきものがたくさんあります。
それはエリザベス朝の優雅な邸宅を始めとして、イギリスで3番目に長いと言われる圧巻のロング・ギャラリー。

さらに邸宅内に飾られている、美術館に貸し出すこともある肖像画や骨とう品、17世紀の刺繍のコレクションという見る人の心を奪わずにはいられない芸術品の数々。

そして4エーカーの大きさを誇る、エレガントさとナチュラルさがとけ合った、美しい庭園で人気を集めている場所なのです。

パラム・ハウスの歴史

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パラム・ハウスの歴史は古く、始まりは14世紀と言われています。部屋とキッチン、ガレージ付きのわらぶき屋根のホールがあったとされる建物は、当時はウェストミンスター修道院によって維持されていました。

しかし1532年から1537年にかけて行われたヘンリー8世による宗教改革により、状況は大きく変わります。

ヘンリー8世とその側近であったトマス・クロムウェルによる修道院解散により、1540年にこのパラム・ハウスの前身であった土地と建物はウェストミンスター修道院から取り上げられ、ロンドンの商人であったロバート・パーマーの手に渡ります。

ロバート・パーマーとその息子であるトーマスは、わずかな月日ながらもこのパラムに住んでいたことがあったのではないかと言われています。
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初代の持ち主であるロバート・パーマーの孫にあたる、ウィリアム・パーマーはエリザベス1世の名付け子でもあったエリザベス・ヴァ―ニーと結婚しました。

そして彼らの暮らしに似合った住まいをこの場所に建てるべく、1577年に建設作業が始まります。家の基礎石を置く作業は、まだ2歳半であった彼らの息子であるトーマス・パーマーが請け負いました。

これはその家に幸運を呼び込むというその頃の風習だったそう。父ウィリアム・パーマーは地元産の材料を使い、わずか6年という年月で、エリザベス朝の邸宅をこの地に建てました。

パーマー家よりビショップ家へ

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パラム・ハウスの始まりを築いたとも言える小さなトーマス・パーマーは、大人になると意外な道を歩み始めます。

エリザベス朝時代の航海者であり、私掠船、つまりは海賊の船長でもあり、海軍提督でもあった、イギリスで初めて世界一周を達成した人物、フランシス・ドレイクに仕えるようになったのです。

彼は1596年にカディスにおける戦闘により表彰され、ナイトの称号を得ています。
サー・トーマス・パーマーがパラム・ハウスに残した足跡は殆どないと言われており、海での冒険を好んだ彼はこの地にとどまることに興味を持てなかったのかもしれません。

彼は1598年にはパラム・ハウスをトーマス・ビショップに貸し出し、さらには1601年に当時の金額4,500ポンドで売却しています。
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パラム・ハウスより25キロほど離れた場所、ヘンフィールド出身の弁護士であり、国会議員でもあったトーマス・ビショップがパラム・ハウスとその敷地を購入してから、およそ321年間に渡りビショップ家とその一族がこの地に住んでいました。

トーマス・ビショップは1603年にジェームズ1世によりナイトの称号を与えられ、1620年には男爵となりました。

パラム・ハウスとその爵位は、トーマス・ビショップの息子エドワードへ、そして孫となるトーマス・ビショップが引き継ぎましたが、彼は未婚で亡くなったため、その兄弟であるセシル・ビショップへと受け継がれます。
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この記事を書いたひと

Hazuki Akiyoshi Hazuki Akiyoshi