美しいガーデンをつくるために ~ ガーデンの基本レイアウト ~

美しい庭をつくるためには欠かせない、ガーデンのレイアウトを決める作業。どんな庭にするのか、どこに花壇を配置するのかは、自身のガーデンを決定づける大切なものとなります。ここではガーデンの基本ともいえるレイアウトをご紹介します。初めてチャレンジする庭づくりの参考にしてくださいね。

自分に合ったガーデンのレイアウトとは

これから庭づくりにチャレンジする方は、どんなガーデンにしようかとワクワクしているに違いありません。そして今まで考えてきた理想の空間をつくるために欠かせないのが、ガーデンのレイアウトです。

ただ漠然と庭に花や樹木を植えるだけでは美しい庭、そして作業のしやすいガーデンは完成しません。そこで大切になるのが、ガーデンでどのように過ごすのかといった目的、そしてどこに、どのようなサイズの花壇をつくるのかというイメージになります。

まずはガーデンの雑誌や本、写真を参考に、自分の目指したい庭の雰囲気を明確にしておきましょう。そしてどれぐらいの時間を庭仕事にかけることができるのか、自分でしっかりと分かっておくことが大切です。

とてもシンプルですが、これらがガーデンのレイアウトを決めるときに最も基本で大切になるポイントです。この2点を分かった上で、庭づくりのレイアウトづくりがスタートすることに。

ここではタイプ別に、おすすめの基本のレイアウトをご紹介します。憧れであった夢のガーデンを作る際のヒントにしてくださいね。

1.芝生の周りに花壇を配置する

庭に花や樹木のある景色を堪能するだけでなく、芝生と組み合わせて花壇を配置するのは見た目も美しく、また植物を育てる楽しみと、芝生で過ごす時間の両方を満喫できるレイアウトとなります。

このレイアウトは芝生で遊ぶことができるので、お子さんやペットと庭を楽しめるのも人気の理由です。気候の良い季節には、ガーデンでピクニック気分を味わえるのも嬉しいですよね。

もちろん植物のケアだけでなく、芝生の手入れも大切な作業となりますが、今では人工芝の種類も多くでていますので、レイアウト次第では庭仕事に割く時間も、自身で調節することもできるでしょう。ここでは芝生と花壇をミックスさせたレイアウトをご紹介します。

芝生は直線のライン、周囲に花壇を配置する

芝生と花壇をミックスさせたレイアウトで、一番シンプルなものが芝生を直線に区切り、その周囲に花壇を配置したものになります。

芝生のケアはそのサイズ、また芝の種類や芝刈り機によって異なりますが、作業が楽なものは芝生のエッジが直線のもの。

シンプルなレイアウトのため見た目もスッキリとしており、花壇も芝生側から手入れができるために作業も行いやすいのが特徴です。

ガーデニングと芝生ケア作業もしやすく、お子さんやペットも芝生で遊べ、家族で楽しむことができるガーデンを目指す方におすすめのレイアウトと言えるでしょう。

カーブを描く芝生に、花壇を合わせたレイアウト

芝生のラインを直線に描くよりも、少しアドバンスなタイプが芝生、花壇を曲線で縁取るレイアウトとなります。

芝生のエッジの刈り込みの手入れが難しいと思われるかたちになりますが、その分個性を感じさせ、またカーブを描くラインが庭にドラマティックな景観を生み出してくれます。このようなレイアウトだと、植物たちが持つ自然のフォルムを活かすことができますね。

さらに花壇の大きさを選べるところがポイントです。たとえば日当たりの良いエリアでは、花壇は大きめのサイズにし、また日陰になる場所では花壇は小さくするなど、花壇の大きさを日照条件や自身の好み、または植えたい植物のサイズなどによって変えられるところが魅力です。

こちらはガーデニングにはある程度の時間を費やせる方、さらに芝生のケアも怠らない方におすすめのレイアウト。庭に個性を演出したい方にもぜひチャレンジして欲しいタイプとなります。

芝生と花壇、小道をミックスしたレイアウト

ガーデニング初心者の方よりも、既に経験の長いガーデナーの方向けと言えるのが、ガーデンの中に芝生、花壇、小道を入れて作るレイアウト。

エリアによって植物のカラーや品種を変えてみたり、あるいはサイズの異なる花壇を作ったりと、庭の中にいくつものシーンを作り上げることができる贅沢なレイアウトです。また、他の庭とはひと味違う、自分だけのオリジナリティを存分に発揮することができるでしょう。

しかしその分、ガーデニングのハードルはぐっと高いものとなります。まず最初にレイアウトのデザインをよく吟味して行わなくてはなりません。

さらに植える植物や樹木の選択、そのケア、芝生のお手入れなど、するべき庭仕事は他のレイアウトの庭よりも増えていきます。

しかし大変な労力を要するだけあって、このレイアウトの庭を美しく保てる方はきっと熟練のガーデナー。訪れる人々を魅了する、素晴らしいガーデンとなるに違いありません。

2.シッティングエリアをつくるレイアウト

庭では家族でバーベキューを楽しんだり、ガーデニングの合間に休憩したり、あるいは友人を招いてお茶会をしたり。ガーデンの中にテーブル&チェアを置けるシッティングエリアがあれば、ガーデニングを楽しむ以外にも充実した時間が過ごせます。

そんなシッティングエリアを庭の中に配置し、さらにその周囲に花壇を配置するレイアウトは、いつの時代も変わらず人気のレイアウトと言えるでしょう。

このレイアウトで最も大切なのは、メインとも言えるシッティングエリアをどの場所に配置するか、どれぐらいの大きさにするかといういこと。

まずその場所でどのような時間を送るのかをイメージし、それに似合ったテーブルと椅子のサイズを明確にしておくと、ガーデンのどの位置に、どれくらいのサイズでシッティングエリアを作れば良いのかが分かって来るでしょう。

シッティングエリアの周囲に、花壇と小道をつくる

こちらはシッティングエリアを庭の中に、そしてその周囲に花壇と小道を作ったレイアウトになります。小道には芝生ではなく石を使い、また花壇も同じカラーの石でレイズドベッドを作り、そこに植物を植えています。

こちらはシッティングエリアでの時間に庭の眺めを楽しむだけでなく、芝生のケアがいらないことが特徴です。また花壇のサイズを小さくしてあるために、手入れにかける時間が少なくなるという大きな利点も。

シッティングエリアの場所はガーデンの奥、あるいは家から出てすぐの場所、またはコーナーなど、ご自身の好みや庭の日照時間などによって選ぶことができますね。

このレイアウトは最初こそデザインとその設計に労力を割かなくてはなりませんが、その後の庭仕事はぐっと楽になるはず。植物を育てることもガーデンで過ごす時間も楽しみたい、でもあまり庭作業に時間がかけられないという方におすすめのレイアウトです。

シッティングエリアに花壇、芝生を組み合わせる

花壇では植物を育て、そしてシッティングエリアでは庭でランチやお茶を楽しみ、芝生ではその青々した景観を楽しみたい。

そんなガーデナーのすべての希望をつめ込んだものが、こちらのレイアウトとなります。非常に贅沢なものと言えますが、もちろん手入れもその分大きなものに。

芝生や植物たちの世話はもちろん、ガーデンファニチャーの手入れも怠ることはできません。季節によってはテーブルや椅子を移動したり、あるいはデッキやテラスなどの掃除やケアも小まめに行う必要があります。

しかしそれに見合うほど、ガーデナーの憧れを実現させたこのレイアウトの庭で過ごす時間は、とても充実したものとなるでしょう。

こちらのレイアウトで庭作業の時間を少なくしたい場合には、シッティングエリア以外のエリアである芝生、そして花壇をシンプルなデザインにすること。また草むしりなどの作業を減らすために、花壇は地植えより高さがありサイズが限定されている、レイズドベッドがおすすめです。

3.お手入れが楽な庭と花壇のレイアウト

これから庭づくりを始める方にお伝えしたい、そしてガーデニングの経験がある方は皆さんがご存知のこと。それはガーデニングとは想像以上にたくさんの仕事が待っているということです。

いつの季節も花であふれるガーデンを作りたい、というのは庭を持つ人の多くの理想でもありますが、庭仕事に費やす時間があまり取れない場合には、たくさんの作業をこなさなくてはならない庭仕事が、だんだん辛く、億劫になってしまうことも。

もしあまりガーデニングに時間を取れない方であれば、思い切って最初はお手入れが楽なレイアウトから挑戦することをおすすめします。

淋しい印象を与えるのは花が少ない庭ではなく、手入れがされずに荒れた雰囲気になってしまったガーデンです。自分の生活スタイルに似合ったお手入れができるレイアウトにすれば、きっと庭仕事はハードな日常の義務ではなく、忙しい日々を癒してくれる大切な時間となるでしょう。

デッキやテラスをメインにしたレイアウト

お手入れが楽なガーデンは、上の写真のような芝生や花壇の面積を極力減らしたレイアウトになります。庭にはウッドデッキやテラスを大きく作り、そこへテーブルやチェアを置いて庭での時間を楽しめるように。そして周囲にはあまり手のかからない中低木を庭に植えて、植木鉢で花を楽しめるレイアウトです。

マンションでのガーデニングの強い味方である植木鉢は、もちろん庭でも大活躍。好みの植物を選び、それに似合った、そして自分の好きなテイストの植木鉢をチョイス。これだけで目指す雰囲気のガーデンを作ることができるのです。

さらに植木鉢は地植えと違い、動かせることも大きな利点です。元気がない花などをその植物に合う場所に移すなど、植木鉢ならではの楽しみ方ができるでしょう。

モダンなガーデンにもぴったりなレイアウト

インテリアのスタイルにミニマルなデザインを好む方は、庭も同じテイストでまとめたいと思うのではないでしょうか。そんなシンプルなスタイルが好きな方、ガーデンにはスッキリとしたラインを取り入れたい方におすすめなレイアウトがこちらです。

庭に大きなサイズのウッドデッキを利用し、花壇や塀などの直線のラインがきりりとした印象で、とても洗練されているレイアウト。庭に欠かせないアイテムであるガーデンファニチャーもモダンなタイプを選べば、美しい景観を生み出してくれるでしょう。

また、周囲の植物は低木であまりケアのいらない品種を選べば、庭仕事にかける時間は少ないものに。庭での時間とグリーンの存在も楽しめ、無理のないガーデニングライフを送れる、忙しい方におすすめのレイアウトとなります。

自分にぴったりなレイアウトで、理想のガーデンを作ろう!

庭づくりの最初のスタートになるのが、ガーデンのレイアウトを決めることになります。花壇の場所と大きさはどれくらい?テーブルや椅子も置いてみたいし、芝生のある庭も憧れる……。

これからガーデニングを始める方にとってレイアウトを決める作業は、今まで温めていた構想を実現できる、理想の空間を作り上げる第一歩となるでしょう。

けれどもあまりに多くのものをつめ込み過ぎると、途中であまり自分のガーデニングスタイルに合っていないことに気づき、レイアウトを変えたくなることがあるかもしれません。

庭のレイアウトを決めるときはあとで後悔することのないように、最初に目指すガーデンのイメージと、どれぐらいの時間をガーデニングにかけることができるかを明確にしておきましょう。

自分の作りたい庭の雰囲気に合い、さらに無理のないガーデニングができるレイアウトで、ぜひ理想の庭をつくり上げてくださいね。